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傷害事件のご相談ということしか分からない状態だったので、ご相談後に詳しい弁護方針を示すことにしました。
行きずりの相手から無理由に喧嘩を売られた依頼者(プロボクサー)が,一緒にいた友人に手を出され,自分にも強度の暴行が来たために思わず手を出してしまったという事案です。正当防衛状況ではありますが,ボクサーの場合,手を出した瞬間に則過剰防衛(有罪)となってしまうため,示談がなければ起訴が確定ししまう事案でした。
この事件の特質は,被害者は依頼者と共通の知人がおり,依頼者をプロボクサーと知っていた疑いがあり,分かっていて挑発してきた可能性があるという点です。
依頼者は逮捕勾留されましたが,起訴されれば問答無用でライセンス剥奪となって依頼者の全てが失われるといっても過言ではなく,不起訴が絶対条件の事件でした。つまり,相手方と示談できなければ終わりということです。
勾留期間は20日であり,時間的猶予がないなか相手と交渉を開始したところ,案の定加害者がプロボクサーであることを逆手にとって,極めて法外な示談金の提示があり,とても払えない金額でした。
一つの選択肢としては,依頼者の人生と引き替えであると考えれば,お金をなんとか用意すると言う方法もありました。それは解決としては簡単ですが,しかし法律家が法外な示談金に屈するというのは間違っていると考え,私は同じ法律家である検察官と交渉をする方法を選びました。
幸い被害者は,4人該当者がいるなかで一人分しか被害届を出していなかったという幸運もあったので,検察官に被害者との交渉の実情を話しつつ,とりあえず,被疑事実記載(通常実際の傷害より軽めにかかれる)の傷害の程度から相当といえる被害弁済金を用意し,これを供託するので起訴猶予で一旦釈放して貰うように検察官と交渉をしました。
何度か交渉をするなかで,検察官も捜査の過程で喧嘩両成敗的側面(つまり被害者側が先に手を出した)を捜査の過程で把握し,またこちらの実情を理解してくれ,起訴猶予ではなく不起訴(事件終了)にしてくれることを暗黙で了承してくれたために,晴れて被害者は不起訴となって釈放されました。釈放されれば時間的猶予が出来,相手方に足下をみられにくくなります。
ただ被害者は,時期をずらして他3名の被害届を出していたために在宅捜査として継続したため,そこから残りの被害者と更に示談交渉を開始しました。
私としては,法律家として,不当請求には屈しないというスタイルで望み,場合によって民事裁判による適正額の確定も考えているとして相手の過剰な要求を拒みました。最終的に,相手が折れて,全ての者と示談ができました。相手は骨折もしており,後遺症の可能性もあっため,場合によっては数千万円の賠償もあり得た事案でしたが,相当低額な示談金で示談が出来たため,債権債務を精算するとともに,残りの事件の示談も果たしました。
結局被害者全員に対して不起訴と確定したため,ライセンスは剥奪されないこととなり,依頼者は復帰戦も果たし,今も現役続行中です。
この事案では,刑事事件におけるセオリーともいえる,加害行為即高額でもいいから示談という簡単な選択肢ではなく,法律家として法律家(検察官)と交渉をする選択したということが奏功していますが,法律家は常に依頼者にとっての最大限を考える必要があると改めて自覚できた事案です。
プロボクサーを依頼者が継続できたことは,文字通り人生を救ったと実感できる事実であり,この点で,正しい道を選択したと自負するとともに,弁護士は常に正しい道を考え続けなければならないと,ある種の戒めを感じた事件でした。
以前依頼を受けた方の友人の恐喝事件のご相談ということしか分からない状態だったので、接見後に詳しい弁護方針を示すこととしました。
いわゆる不良として警察から目を付けられていた青年の恐喝事件です。単純には示談をして不起訴となったという事件ですが,この事件では,警察官が余罪を狙っていた節があったため,警察官の不当な誘導や圧力に屈しないように適正に黙秘権を行使するように依頼者に助言をして被害者と交渉を図りました。
検察官は依頼者に黙秘をしても起訴だぞ等脅しをかけていたために,依頼者は不安を抱いていましたが,情状面から示談をすれば不起訴を確信していた私は,依頼者に適宜助言をして不安を緩和するよう心がけました。
結局黙秘権を行使しつづけ,示談を得た後,示談書を添付して不起訴処分申入書を検察官に送付したところ,想定とおり不起訴となりました。検察官の言っていることは嘘だった訳です(最初からはったりであることは法律家として分かっていました)。
釈放される前に警察官が「起訴したかったなぁ」とぼやいていた(余罪を引っ張って手柄としたかったのでしょう)そうです。余罪のための別件逮捕は実務上横行していますが,一罪一逮捕一勾留の原則に反するものであり,不用意に嫌疑の不確かな事件を拡張させないことも弁護士の役割です。誤解されがちですが,黙秘をしていても示談をして不起訴になることはあります。黙秘は罪を隠すことでは無く,身柄拘束中の正常な判断がつかないなかで,やってもいないことをやったと言わないためのものであり,私はやってないことをやったとは言わせないように心がけています。それはただのえん罪です。
この依頼者は,その後3度嫌疑をかけられた逮捕勾留されていますが(なにせ目をつけられていますので),いずれも釈放を実現しています。今現在,通常の社会生活を送っており,心配事があると電話がかかってきます。
窃盗事件とのみ情報が分からない事案だったので、ご相談後に詳しい弁護方針を示すこととしました。
この事件は,連続窃盗事件として警察からマークされていた依頼者が,複数の事件で逮捕起訴されたという事件です。事件数が多く,被害額も相当高額であったため,初犯でありながら実刑の見込みが相当高い事案でした。
最終的に全件交渉により被害弁済を果たして,求刑4年(執行猶予は付けられない)に対して,執行猶予を付けることが出来た事案です。
この事案では,一番高額な被害を出した被害者との間で示談をするときに,被害者から「先生であったから示談をすることに決めました」という言葉を頂きました。しかも分割払いでの示談に応じていただいており,こちらを信頼していただけたと思う事件です。時折そういった言葉を頂くことがありますが,この言葉はうれしいというより,戒めとして受け取っています。
私たち弁護士は,とかく悪い人の受ける罰を軽くするために活動しているとして批判を受けがちですが,それは少し誤解があります。確かに依頼者の受ける罰を軽くするという側面はありますが,私の認識は「適正な罰」になるように活動するというものです。そして,依頼者の救済の側面も実はあります。例えば被害者のある事件の場合,被害弁済が何もされなければ,被害者は賠償を諦めるか民事訴訟の二択を迫られます。しかし,刑事事件進行中に弁護士が活動することで,被害者の被害弁済が早く達成出来れば,結果被害者救済が早くなります。そういうときは,依頼者側にも被害弁済の適正額をしっかりと説明し,いわゆる「値切る」ということはせず,もちろん不当な請求を安易に受けることもせず,適正額を提示するように心がけています。
検察官は被害者救済のために活動していると言う人もいますが,私はそうは思いません。被害者が処罰を求めながら,裁判で無罪になることを恐れて不起訴にする事案の方が圧倒的多数ですし,被害者の気持ち面だけを汲みすぎて勇み足で起訴をしてしまい,結果無罪となって被害者も加害者の生活も無意味に踏み荒らすという事案もあります。
我々法律家は,人の人生を大きく左右する仕事です。その重みの自覚がなければ,安易に仕事を引き受けてはなりません。検察官にそういった気概を持って仕事をしている人は一度もみたことはありませんが,上記の被害者から頂く言葉は,私も同じことをしている可能性が常にあることを教えてくれる,やはり戒めの言葉であると思います。
なお,分割払の弁済は,今なお継続されており,約束は破られておりません。
詐欺事件という情報のみだったので、ご相談後に詳しい弁護方針等を提案することとしました。
若い頃からやんちゃを繰り返していたために,警察からやっていないことまでやったのではないかと疑いをかけられてマークをされていた青年が,詐欺事件で逮捕された事件でした。警察の狙いは根拠不確かな余罪についての自白を取ることでした。警察官からの不当な圧力には屈しないように助言をするとともに被害弁済を果たしましたが,警察官はよほど起訴をしたかったようで,相当昔の未成年であったころにやんちゃをしてしまったときの小さい事件を引っ張ってきて,身柄拘束期間を引き延ばしにかかりました。余罪を相当聞かれていたようですが,根拠不確かな余罪追及には屈しないように助言しました。
最終的に,最初の逮捕事件は不起訴となり,相当昔の事件だけが起訴されましたが,それも被害弁済を果たし,結局執行猶予で終わっています。その後何度か嫌疑をかけらえそうになったようですが,一度も逮捕をされていません。
同じ罪名でも事件によって事案は様々です。
重要なことは、依頼者の状態にあわせた弁護方針を提案できるかということになるかと思います。
本件では適確に提案をすることができ、最良の結果を得られたといえます。
傷害事件という情報のみであったため、詳しい弁護方針等はご相談後に示すこととしました。
執行猶予期間中に傷害事件を起こして逮捕勾留された青年の事件です。
この事件では,本人が暴行の事実を認めてしまっていたため,そのまま処分が確定すれば執行猶予が取り消され,長い懲役となる虞がたかかった事件です。
結果としては相手方と示談をすることができ,不起訴となって釈放されました。執行猶予を取り消されることもありませんでした。
執行猶予中の犯行の場合、不起訴を獲得しないと、執行猶予が取り消されてしまうことになります。厳密にいえば、罰金かそれより思い刑かで可能性は変わりますが、それでも罰金でも執行猶予が取り消されてしまう可能性はあります。
そのため、早期の示談交渉や不起訴獲得に向けての活動が重要です。
本件は早期の活動が功を奏した事件といえます。
盗品等譲受罪で逮捕勾留されたという国選事件でした。
話しを聞く限り,共犯者とされていた知人の話は相当巻き込み供述の危険が高かった上,被疑者に対する証拠も乏しかった事件です。
初回接見時,捜査機関の恫喝に,事実を認めてしまったかのような供述調書が取られてしまっていましたが,被疑者の話をしっかりと聞いて被疑者の話(えん罪である)という話しには高い信頼性があると判断したため,捜査機関に何を言われても黙秘を貫くように助言するとともに,ノートを差し入れ,毎日の捜査機関の取調状況を記録してもらうことにしました。
記録を見て不当があれば即時に抗議文を送り,検察官に不当逮捕だから早期に身柄解放をせよと何度も申入れ,最初の逮捕勾留と勾留延長にも準抗告をしつつ,接見では被疑者を励まして黙秘を貫徹させました。
当初激しかった取調も後半は意気消沈するように少なくなって被疑者が放置をされるようになったので,そこにも不必要な身柄拘束だとして抗議文を出したうえで検察官に文句を言っています。
最終的に,身柄拘束の根拠,取調が為されていない理由,最初の逮捕の原因となった押収証拠が何か,ということを求釈明した勾留理由開示請求をしたところ,その期日に合わせるように不起訴で釈放するとなり,裁判所から勾留理由開示請求を取り下げて欲しい旨の連絡を受けました。
勾留理由開示請求が奏功したかはわかりませんが,無影響ではなかったようにも思います。この事件で感じたのは,意味の無い身柄拘束は私生活上の大きな不利益であることは当然ですから,弁護士の役割としては出来ることは徹底的にやり,早期の身柄解放活動に尽力しなければならないということです。ある意味国選事件ですのでお金にならない活動が大半でしたが,そんなことは一切考えておらず,とにかく検察官や警察官の汚い方法を正させたいという一点のみが活動動機でした。
現在実務に慣れてしまって自分がサボってしまいたくなるとき,この事件を思い出して奮い立つようにしています。
傷害事件で逮捕勾留された少年被疑者の国選弁護事件が家裁送致となって少年事件となったため引き続き受け持った事件です。
自分の交際相手をレイプした相手を殴って怪我させたとして逮捕勾留された少年の事件でした。
少年事件は全件家裁送致が原則で,家裁送致後は鑑別所に約4週間身柄拘束されます。本件では,少年は既に社会人であったため,身柄拘束を受けることが不利益であり,よって観護措置を回避するために家庭裁判所に観護措置をしないように申し入れた事案です。
私は,少年事件はあまりやらないのですが,少年事件を専門としている同期に相談をしたところ,観護措置の回避はほぼ無理なんじゃないかと言われました。
保護者と連絡を取って身元引受書を準備するとともに,本件犯行の情状を丁寧に記載し,裁判官とも面談をして事情を説明したところ,観護措置は回避できました。同期がかなり驚いていたので,よほど希だったのだと思います。
この事件で工夫をしたのは身元引受書です。身元引受書に,保護者にとって少年が帰ってくる必要性が高いこと,身柄解放されても逃亡をさせない実効的な手段があることを保護者の口から聞いて書面に反映させました。
身元引受書は,「逃亡はさせない。罪証隠滅はさせない。出頭要請には応じさせる」という3点が基本的事項として記載されることが多く,そのため,それだけが記載してあるテンプレートを出すこともままあります。
私は,身元引受書は裁判所が身元引受人の人となりを把握し,身元引受人の下に返してもいいか,返しても良い事情があるかを裁判所が把握する最も重要な資料であると考えるため,通常の刑事事件の保釈請求においても,身元引受人の言葉を可能な限り記載して出すようにしています。それがいかほどの効果があるかはわかりませんが,少なくともテンプレートでは裁判官も判断できる要素は少なってしまい,相当ではないと思います。
児童買春という情報しかなかったため、詳しい弁護方針はご相談後に提案することとしました。
この事件は,未成年の少女とみだらな行為をしたとして逮捕勾留された被疑者の事件です。余罪もあって犯情が悪く,検察官から被害弁済がなければ罰金刑に処すと言われていた事件でした。
被害者側は加害者側と連絡をしたがっておらず,被害者の連絡先も当然わからないので,そもそも示談交渉を開始することができないまま処分が進みましたが,警察署に何度も電話をして被害者に働きかけて貰い,結局処分確定の前日に連絡がつきました。その日のうちに電話で事情を理解してもらうように話をし,被害者から示談の応諾を取り付けたため,即時に検察官に連絡して,翌日の起訴までに間に合わせるので示談書の送付を待ってもらうようのお願いしました。
電話をしたその日の夜に被害者の保護者の方と面談をして示談を成立させ,その書証と不起訴申入書を夜中に送付し,翌日不起訴が確定して釈放されました。
売春や痴漢,盗撮等の事件では,被害者がどうしても加害者側の話しを聞きたがらないという事件はあります。事案の性質上やむを得ないとは言えますが,相手がわからないではどちらも救えないので,考えられることは考えなければならないと思います。
弁護士としてできる限り粘ることが重要といえます。
強盗致傷事件で起訴された裁判員裁判の事件でした。
バイクに乗っている友人が自動車であおり行為を受けたのを見かねた自動車に乗っていた依頼者が,あおり運転自動車運転手を止めてその運転手に強盗に及んだ事件
強盗致傷として起訴された被告人の刑事事件です。私選の事件になります。
一人で担当した私選事件でしたが,被害弁済を果たし,執行猶予付き判決を得ました。
捜査段階では被害者の処罰感情が厳しく被害弁済を果たせなかったため起訴後の示談となりましたが,単独事件で計画性のある事案ではなかったうえに法律上の自首をしていたため,執行猶予を得ることができました。
強盗致傷であっても,情状によっては執行猶予が付きます。はなから重い罪と決め込むのではなく,弁護士に相談してみても良いと思います。当事務所は裁判員裁判に注力しています。
職務質問を契機として覚せい剤の所持使用で逮捕起訴された方の事件です。
職務質問を契機として覚せい剤の所持使用で逮捕起訴された方の事件です。
職務質問自体が法の要件を満たしておらず,諸々の経緯があって,依頼者の方は警察官十数名にかこまれてもみくちゃにされるという経緯があった事件です。
違法捜査による収集証拠の排除を求めて争ったところ,任意捜査の限界を超えて違法という判断まではもらいましたが,しかし,証拠排除にまでは至らなかった事案です。
薬物事案ではよくあるのですが,どうしても犯罪の密行性が高い単独事件であるため,強引な職務質問から強引な留置(移動阻止),そこから令状発付まで粘ってからの強制捜査,逮捕という事案は結構あります。
職務質問,留置の違法性が争われ,無罪判断も全国各地で出されている事案です。
違法認定を受けられたことから,あともう少しというところではあったのですが,この伊保認定が受けられたのは,パトカーのカーロケ-ターの映像があったからです。
そこに警察官のいきすぎた行為が映っていたわけです。
民間私人である弁護人にとっては,証拠の収集は相当骨の折れる作業で,検察官とは圧倒的な力の差があります。そこで刑事弁護では,捜査機関の持っている証拠の開示を積極的に求めることで検察官に対抗していくことが一つの手段となります。
裁判所が争点として重要と考えると,検察官に開示を促してくれます。争点設定とその重要度のアピールが,弁護士の力量にかかってきます。
これは外国人の方からの依頼でした。従兄弟の方が痴漢でつかまってしまったが否認をしているために接見禁止が付いて会えない,会ってきて欲しいというものでした。
国選弁護人がついていましたが,どうやらこの弁護人が示談などしなくても不起訴だから大丈夫と言っていたのが心配だったようで,どうしてもと頼まれましたが,私としては,痴漢と聞いて弁護人も不起訴と言っているならおおごとではないのではないかと言いました。それでもどうしてもということでしたので,とりあえず依頼ですので,まずは話しを聞きにいくことにしました。
接見をして話しを聞いたところ,痴漢というか強制わいせつ事件であり,聞く限り相当重めの内容だったので,起訴される虞の方が圧倒的に高かったことがわかりました。外国人の方が強制わいせつで起訴となれば強制退去もあり得ます。事情を理解した私は改めて弁護人となることを受け,即時に示談交渉に着手しました。依頼を受けたときには最初の勾留満期直前であってそのまま起訴の可能性もあったので,即時に検察官に連絡をし,示談をするので待って欲しい旨伝え,被害者に取り次いでもらうこととしました。
被害者の方の処罰感情は相当に強いものでしたが,深くお詫びをして理解をしていただくように務め,示談を成立させて不起訴を申し入れたところ,不起訴処分となって釈放されました。
本人が悪いことをしたとはいえ,そのまま放置をしていたら,国外退去となりえたわけで,その場合,かなり大きな私生活上の不利益になります。また,早期に被害弁済を果たさなければ,被害者も救済されなかった可能性もあります。
国選弁護人がどういう見立てで放っておいても大丈夫と思ったのかは分かりませんが,弁護人は人の人生を致命的とも言えるほどに台無しにできる位置で仕事をしています。私は国選であろうと私選であろうと動きを変えるということはないのですが,やるべきことをやらないことで国選弁護人は動きが悪いなどという少し悲しい都市伝説が存在することは,とりもなおさず弁護士自体の評価を下げることになりかねず,嘆かわしことだと感じます。
以前に国選で担当したからの接見要望から始まった事件でした。
前に国選で弁護人を務めたことのあった方から接見要望が入り,私選として受けた事件です。酔って歩いている女性にわるふざけをしたとして逮捕された脅迫事件です。
その事件では,お金が全くないので私を呼ぶことは憚られたものの,どうしても呼びたくなったので呼んだというちょっと変わったスタートでした。
聞けば,接見に来た弁護士に示談をお願いしたら「なんで私がそんなことをしなければいけないんだ」「私は忙しいからそんなことはできない」と切れ気味に言われたらしく,それで追い込まれてやむを得ず私を呼んだということです。
最終的に犯情面が軽いということを検察官にアピールし,それが認められたのかわかりませんが不起訴処分で釈放となりました。
国選の先生は女性だったそうで,真偽のほどはわかりませんが,もし本当なら,問題があるというレベルではなく,弁護士をやる資格はないと思います。理由は説明するまでもありません。